国保の計算方法

国民健康保険の基礎知識

保険料の計算をシミュレーションしてみましょう。

更新日:2017年1月14日

国民健康保険料の金額は各市区町村の担当窓口で正確に計算してくれますが、「だいたいどれくらいなのか?」を知りたい方のために、ここでは基本的な計算方法について解説します。

【注意】保険料の計算方法は市区町村によって異なりますので、ここで計算した金額はあくまでも目安として参考にしてください。


以下では代表的な例として、平成28年度の東京都世田谷区の計算方法を例に解説していきます。



1.所得金額を調べる。

所得金額とは、すべての収入から経費を差し引いた金額です。
個人事業主なら「総収入 - 仕入れ・経費」。
会社員やアルバイトなどの給与所得者は「総収入 - 給与所得控除額」となります。


調べ方は、個人事業主なら確定申告書の「所得金額の合計」を



サラリーマンなら源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」をチェックします。



【補足】給与所得者の所得金額は、こちらの簡易フォームで計算することもできます。



2.基準額を計算する。

所得金額が分かったら、次に所得金額から33万円を引き算してください。

ここで出た金額が「基準額」となります。


ここでは分かりやすくするために、次のモデル家族でシミュレーションします。

世田谷区在住、3人家族で世帯全員が国保に加入。収入と基準額は以下の通り。


40歳 年収 4,000,000円
→ 所得金額 2,660,000円
→ 基準額 2,330,000円
39歳 年収 1,000,000円
→ 所得金額 350,000円
→ 基準額 20,000円
12歳 年収0円 所得金額0円 基準額0円
基準額の合計 2,350,000円

3.所得割額を計算する

先ほど求めた基準額を、以下の①~④に当てはめて計算してください。

所得割額は、所得が一定以上ある方にだけかかるので、基準額が0円の方は次の「4.均等割額を計算する」に進んでください。

計算式 シミュレーション
①基礎分 基準額×6.86% 2,350,000円×6.86%=161,210円
②支援金分 基準額×2.02% 2,350,000円×2.02%=47,470円
③介護分 40~64歳の方の基準額×1.52% 2,330,000円×1.52%=35,416円
④合計 ①+②+③ 161,210円+47,470円+35,416円=244,096円

ここで得られた244,096円が「所得割額」です。

一旦この金額をメモしておきます。



4.均等割額を計算する。

均等割額は、1世帯あたりの加入者数と、介護保険料の対象になる加入者数に関係する部分となります。以下の⑤~⑧を計算してください。

計算式 シミュレーション
⑤基礎分 加入者数×35,400円 3名×35,400円=106,200円
⑥支援金分 加入者数×10,800円 3名×10,800円=32,400円
⑦介護分 40~64歳の加入者数×14,700円 1名×14,700円=14,700円
⑧合計 ⑤+⑥+⑦ 106,200円+32,400円+14,700円=153,300円

ここで得られた153,300円のことを「均等割額」といいます。



これが国民健康保険の年額です。

「所得割額」と「均等割額」が分かったら、最後に2つを合算すれば保険料の年額がでます。

計算式 シミュレーション
⑨合計 ④所得割額+⑧均等割額 244,096円+153,300円=397,396円

これが国民健康保険料の年額です。

【注意】これは世田谷区の例であって、ほかの自治体にお住まいの場合、計算料率が異なったり、資産割額(所有資産に対して加算)、平等割額(世帯ごとに加算)などの計算項目が追加される場合もあります。

参考までに、住む場所によって異なる保険料では、各県庁所在地の保険料を比較しています。



保険料には上限があります。

保険料の計算方法をご覧いただいてお分かりのように、国民健康保険料は、「世帯所得」、「加入する人の数」、「40歳~64歳の人の数」によって決定します。つまり所得が多ければ多いほど、また加入者数が多ければ多いほど(40歳~64歳の人が多ければ尚更)保険料は高くなります。


但し、際限なく上がるわけではなく、国民健康保険料には上限額が設定されています。


以下は東京23区の上限金額です。

内容 上限金額
①+⑤ (基礎分) 540,000円
②+⑥ (支援金分) 190,000円
③+⑦ (介護分) 160,000円
合計 (保険料年額) 890,000円

つまり東京23区の場合、国民健康保険料の年間上限金額は890,000円になります。



保険料は住む場所によってこんなに違う!?

参考までに、平成28年度の政令指定20都市の保険料を、上のモデル家族でシミュレーションしてみました。保険料の高い順に並んでいます。


1.神戸市 565,986円
2.熊本市 484,410円
3.仙台市 474,647円
4.札幌市 470,960円
5.堺市 468,606円
6.京都市 466,069円
7.福岡市 458,497円
8.大阪市 456,040円
9.北九州市 455,640円
10.広島市 438,450円
11.新潟市 434,560円
12.岡山市 430,120円
13.名古屋市 429,910円
14.浜松市 415,135円
15.川崎市 399,021円
16.さいたま市 383,635円
17.静岡市 383,354円
18.横浜市 382,463円
19.千葉市 376,641円
20.相模原市 342,971円

この中で一番高い都市(神戸市:565,986円)と、一番安い都市(相模原市:342,971円)の差は、223,015円でした。1ヶ月で約2万円の差があります。

保険料節約のテクニックでも解説していますが、引っ越しをお考えであれば、事前に保険料をシミュレーションしてみると、思わぬ節約ができるかもしれません。